夜更けと共に。

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コンビニから外へ出ると、湿って淀んだ空気が肺へ舞い込んできた。 ガヤガヤとうるさい雑音と飲み屋で働く女たちが甲高い声で客を見送っている。 私は街の中心にある飲み屋街に来ていた。 酒臭い男たちに、むせ返るようなオヤジたちの臭いが私は嫌いだ。 だけど何でかな……… この空気がどうしようもなく落ち着く。 甲高い声も 雑音も 酒の臭いも どうしようもない私を包んで掻き消してくれる。 それでいて 私に存在も与えてくれる。 ここは私の居場所だ。
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