難波 ましろ

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そこは、冷たい檻の中 周りには沢山のヒト 腕と足には無様にちぎれた拘束具 首には頑丈な首輪 「……返してよ…」 静かに響くましろの声 「お姉ちゃん、何処におるんよ…」 返事は、無い 「ましろのお姉ちゃん… 返せよおおおおっ!」 山のような人がいるのに やはり誰からも返事は無い それもそうか そこにあるのは人でなく かつてヒトだったものだから ここは冷たい檻の中 今は赤く染まった部屋 そこに立っている者は 返り血を浴びて 紅に染まった 白い虎
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