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「ところで雪、彼氏とかいるのか?」
「はぁ!?」
ケーキを食べ終え、お母さんのいれてくれた紅茶を飲んでいるとお父さんがとんでもないことを聞いてきた。
思わず噴き出しそうになってしまった――――というか既に噴き出してしまった。
「あらあら……女の子なのに駄目よ?」
「だって、お父さんが急に変なこと言い出すから」
普段は寡黙な方のお父さんだから、いきなり恋愛話なんてされたら誰でも驚くだろう。
「まぁ……彼氏はいないけど。 というか好きな人すらいないからなぁ」
「青春真っ盛りの女子高生にしては珍しいわね。 女の子は恋しなきゃ」
このときばかりは、お母さんが私より若いように見えた。
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