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そして3日後、やはり祖母も原因不明の死を遂げた。祖母の死後は、今度は娘が面倒をみることとなった。やはり母親の時と同様に、男の子は言葉を発することは無くなっていた。
娘は、母、祖母の死と自分の弟との関連を疑っていた。そのため、弟にはかわいそうだと思いながらも、言葉を発しない弟に話しかけることはしなかった。ところが、父が娘を呼ぶ声を聞いていたのだろうか、ある日娘が弟の世話をしていると、「ネエちゃ・・・」と、とうとう娘のことを呼んでしまったのだった。案の定、3日後に娘も謎の死を遂げた。残された父親は、息子を施設に入れようと思った。そして、夜中に車で隣町の孤児院まで行き、玄関の前にそっと息子を置いてきた。
「かわいそうだが仕方がない。」とうつぶやきながら車をとばして家に帰って来たときだった。玄関を開けると、なんとそこにはさっき孤児院に置いてきたはずの息子がいるではないか!あせった父親は急いで玄関のドアを閉めると、さっき乗ってきた車に戻り、運転席に飛び乗った。しかし、なんと助手席にはさっき玄関にいたはずの息子が座っているではないか!「もうダメだっ!」心の中でそう叫んだ父親に、息子はニコッと笑いながらつぶやいた。
「パーパ・・・」
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