壱(前編)

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私と浅佳は双子の兄弟である。(因みに私が弟だ) 浅佳は性同一性障害だとかで男なのに女の子みたいに振る舞っている。 しかし誰一人として彼を嫌う者は居なかったと思う 何故なら皆、彼が男であると知らないから。 それに彼は聡明で愛嬌もあり、とても優しい。 逆に私はというと姿形こそ彼と瓜二つだが性格は全くの逆なのである。 何を教えても覚えが悪く、愛嬌も無く無表情。 所謂落ちこぼれというものだ。 人々は私達を区別する際、"出来る方が浅佳で出来の悪いのが弟"と口々に言った。  
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