君となら

2/17
前へ
/47ページ
次へ
-僕が美音と出会ったのは、うだるような暑さの中、店で新しい従業員を待っていた日だった。 僕1人では、仕事が 間に合わずに【従業員募集!】の貼り紙を貼ったものの、なかなか人がこなかった。 「聞いてくれよ!とりさん。また、今日も人が来なかったのだよ!全くもって有り得ない話だねっ!こんなに素晴らしく美しい外観で且つ僕のような絶世の美男子が、せっせと服をつくっているのに、どうして、誰も救いの手を差し伸べてくれないんだ。とりさん聞いているのかい?」 はとり「…あぁ。それは店長がオマエだから、来てくれないんじゃないか?…すまない。昼から また応診があるから、切らせてもらう。」 「まだ、全然話が…あ…」 ツーーツーー。 無情にも、電話の接続が途絶えた電子音だけが 店長しかいない店に 響き渡った。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加