痛い方がいい

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俺を見て。俺を愛して。だけど口を開くと拒絶「触んな」(違う、その掌で撫でて) 本音をちらつかせて、気を引く。ずる賢い?それとも、ただの、馬鹿? お前が普通に女と恋愛して、結婚して、子供つくって。そういう普通の男としての人生を歩んだ方が幸せだって、俺は理解してる。ぜーんぶ分かってるのに、知らないふりして惑わせてるのは、俺。たぶらかしたのは、俺。 「…なぁ、」 淋しげな声で呼べば、必ず振り向いて、何も言わずに抱きしめてくれる。優しい目、温かい掌。すべて独占して、安心して、寄り掛かって、甘えて。 ねぇ。お前が俺を突き放さないと、ずっとこのままだよ。いいの?お前がはっきり拒絶しない限り、死ぬまで俺、寄生虫みたいに、お前の腕の中で生きるよ。 なぁ、駄目だよ、駄目。俺、勘違いしちゃうから、お願い。その優しさは、時々にしてよ。じゃないと、俺、もう、ひとりで生きていけなくなっちゃう。 (お前の温もりが俺の肌に馴染んで、今にもぐずぐずに溶けてしまいそう)
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