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月光に照らされたその黒髪は、艶やかに輝いて、背筋はピンッと伸びている。
「ここは、何時までも変わらないんだろうね」
彼女の小さく形の良い唇から、懐かしむように声が漏れる。
しかし、彼女の横顔は、悲しそうで嬉しそうな微妙な表情だった。
切れ長の瞳は、遠くを見ているような……手の届かない物を掴むように果敢なげだ。
ただ、これだけは、ハッキリと言えるだろう。
僕は、彼女に恋をした。
それだけは、ハッキリと……
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