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教室に入ってきたのは、冴えない眼鏡をかけた初老の担任教師:佐原昭人(ｻﾊﾗｱｷﾄ)と見慣れぬ可憐な女子生徒だった。
教師の説明によると、転校生らしいが、なんせ教室の中は、お祭り騒ぎのようになっているので聞こえにくい。
とは言っても、女子達の中には、彼女の容姿を見てムッとしている者もいるようだ。
男子達は、言わずもがな皆が歓喜の声をあげている。
僕も、もちろんその一人である。
｢じゃあ、望月の席は……｣
｢あっあの……｣
｢どうした？｣
担任教師の佐原が尋ねると彼女は、頬を赤らめて僕の方を見た。
｢私、あの方の隣が……｣
望月さんが指名したのは、僕の隣だった。
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