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「キヒッ!!じゃあな二丁拳銃の兄ちゃん!!」
そう言うと男はそのまま川に飛び込んだ
「クソッ待て!!」
そんな男を見て銃を持った男は急いで駆け寄り、男が逃げた方向に銃を乱射するが手応えは無かった
「ちっ逃がしたか」
男は舌打ちをしながらそう言うと銃をしまい、先程の男につけられた傷を見た
「5本の線の傷…爪痕か?あんな距離から空を切っただけで…」
「兄さん」
男は傷を見てそう考えていると不意に後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた来た事に気がつき、男は振り返った
「空、学校は終わったのか?」
「うん、終わったよ、あとさっき女の人が死体の前で震えてたけど」
「ああそうか、そっちもどうにかしなくちゃな」
男は朝倉の言葉にそう言い、そのまま草村へと戻って行くと婦人は今も震えたままその場に座っていた
「大丈夫ですか?」
「…あ」
朝倉の兄の言葉に婦人は今誰かが来ていた事に気がついた様に顔を上げた
「では、コレを見てください」
朝倉の兄はそう言いながら懐から砂時計の様な物を取り出すと逆さにし、婦人に手渡した
「それを持ちながら砂を見ていて下さい、そうすれば貴女はこの夢から覚めます」
「夢…これは夢なの?ならなっちゃんも死んでないのね?」
婦人は虚ろな目で砂時計から落ちる砂を見ながらそう言うと砂時計はひび割れ、中の砂が弾け、青い煙りが婦人の回りに広がった
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