「狂犬」

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「え?あれ?何であんた達が?てかここ私の部屋?」 有沙は少し混乱気味に朝倉と陸人を交互に見てそう言うと陸人は有沙の方へ歩み寄り、有沙の首筋を触った 「完全に元に戻ってるな、脈拍も異常無し、完全回復してる。いや、完全蘇生している…か」 「完全…蘇生?」 有沙は陸人の言葉を聞いてそう呟くと一気に商店街での事がフラッシュバックする そしてあの暗闇の世界での少女の言葉も… 「あっ…え…」 有沙は一瞬で嫌な汗を出すと首筋をペタペタと触って傷を確かめた 「……無い」 有沙はそう呟くと固まり、顔だけを動かし陸人の方を見た 「私…私…」 「殺されたはず…だろ?」 陸人は有沙が言う前に有沙の言おうとした言葉を言うとそのまま勉強机の椅子に逆向きに座った 「確かにお前はあの時死んだ、だが生き返った、昨日の様にな」 陸人はそう言うとタバコを取り出し、火を付けようとしたが朝倉が取り上げこの部屋がタバコ臭くなることは防がれた そしてタバコを取られた陸人はチッと舌打ちをし、少しふて腐れるとまあいいと話を続けた
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