「狂犬」

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「ぐっ…はっ!?」 すると陸人は口から血を吐き、床にひれ伏した 「兄さん!!」 「大…丈夫だ…心配無い…」 慌てて駆け寄ってきた朝倉に来なくていいと手を上げると、陸人は胸を押さえながら体を起こした 「とっさに体に魔力を逆流させてコイツの‘魔眼の力’を押し戻した、くそっ確かにやばいなアレは」 「え?」 陸人の魔眼と言う言葉に有沙は反応すると直ぐさま鏡を見た 「…あれ?普通?」 だが鏡に写っている自分の眼はいたって普通の黒い眼だった、そんな事に首を傾げると壁を背もたれにして座っている陸人が口を開いた 「発動は一瞬だった、もう普通の眼に戻って……ぐっ…!?」 「兄さん!!」 痛みを漏らした陸人の声に朝倉は今度こそ駆け寄った 「兄さん、今日はこれ以上魔力は使っちゃダメ、これ以上は体に障るわ」 「ああ、基そのつもりだ。これ以上は流石にキツイ」 陸人は苦笑混じりにそう呟くと有沙の方を見て口を開いた 「たく、お前本当に何者だよ。死の感覚か、確かにきついな、殺意を感じなくても殺されると思ったぜ」 陸人はそう言うと口についた血を拭い机に手を乗せ、そのまま立ち上がった
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