「狂犬」

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「仲間にするんじゃなかったの?」 一階に続く階段を下りながら不意に朝倉はそう呟いた 「あの時はえらく仲間にしようとしてたのに、もう諦めたの?」 朝倉は陸人の体を支えながらそう言うと陸人は口を開いた 「最初はそのつもりだったさ、だがな俺はもう二度もあいつを助けれなかった、もしあんなとんでも能力が無かったら本当に…」 陸人は一度言葉を止め玄関へ続く扉を開けるとその場で止まって言葉を続けた 「それに…アイツは何かヤバい」 「ヤバい?あの超回復みたいなやつ?」 陸人の言葉に朝倉はそう聞き返すと陸人は首だけを動かし朝倉を見ながら口を開いた 「いや、そんなんじゃ無い。もっと違う何か…‘闇’の様なモノを感じた…」 「闇?」 陸人の言葉に朝倉はそう聞き返すと陸人は歩を進めそのまま玄関へ向かい靴を履いて外に出た 「チッ、また降ってきやがった」 ポツポツと雨が降り出してきた暗い雲を見て、陸人は忌ま忌ましげにそう言うとバイクにエンジンをかけ、一言呟いた 「アイツは…危険だ…」
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