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(私は一体何処にいるんだろう)
ツヤがかった長髪の少女が和室のど真ん中で布団から上半身を起こして座っていた。
その少女の体の至る所に赤い血が滲み出た包帯が巻かれ、頬の所にも大きなガーゼが張られていて痛々しい姿をしていた
だが少女はそんな自分の姿に目もくれずひたすら一つの事を考えていた
「私は誰?」
少女には記憶が無かった、
自分の名前や家族の顔も自分が一体どのような子供だったのか何も思い出せずにいた
そして次第にその事に対して恐怖を抱くようになった
誰も居ないシンとした部屋の中で自分の名前すら解らないような自分が一人だけ、そんな事を思いながら気が付けば少女は震えていた
解らない…
ここは何処?
私は誰?
何でこんな所にいるの?
そんな漫画のような台詞を思いながら震える体を自分の両手で抱きしめる
いやだ怖いよ…
いやだいやだ…
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!
「嫌だ!!誰か助けてよ!!」
涙を流しながら少女は誰も居ない部屋の中で叫んだ。
だが誰も答えてくれるはずもなく虚しく時間だけが過ぎていった。
そしてついに泣き出してしまい部屋に泣き声のまじった声が響いた
「おねっ…グス…がいしま…す…ヒック…誰か…たすっ…ズッ…けて…」
そうして布団を抱きしめながら顔をうずくめこの現実から目を背けようとした、
だがその瞬間その孤独の部屋に一つの光がさした。
「目が覚めたか?赤眼のお嬢さん?」
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