プロローグ「目覚め」

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そこに立っていたのは一人の青年だった 髪は青く染められていてオールバックにしている その青年も少女と同じように体中に包帯やガーゼが張られていた左頬には大きな傷があり痂が出来ていた。 少女は突然現れたその青年に駆け寄り抱き着き、 涙を流しながら震えた声で叫んだ 「怖かった…怖かった怖かった怖かった…怖かったよぉぉぉ…」 そんな少女を見て青年はしゃがんで胸の中で泣きじゃくる少女の頭を優しく撫でて抱き寄せながら少女に喋りかけた 「大丈夫君は一人じゃない安心しろ俺が側にいる…」 その言葉を聞いた瞬間、青年を抱き着く力が強まった。 少女はうれしかった一人じゃないと言うことが… 自分が何者なのかさえ今はどうでもいい、 ただ今ある温もりが少女を落ち着かせる。 「あたたかい…」 少女は今の気持ちを素直に伝え、 顔をさらにうずくめた。 青年も少女を包み込むように抱きしめる。 その姿はまるで仲の良い兄妹のようだった。
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