65人が本棚に入れています
本棚に追加
/353ページ
それにこの赤い眼を見ていると体がほてり激しい吐き気におおわれる。
「うっ…!」
だがここで吐くわけにはいかないので涙目になりながらもこらえた。
「無理して見るなその眼は今の君にはキツすぎるだろう」
そう言いながら牧は鏡に自分が着ているシャツを脱いで覆いかぶした
するとほてりもおさまり、
吐き気も消えた。
そして少女は牧に礼をいい落ち着いてきたのでこの眼の事は今は置いといて
今の状況を把握しようと尋ねた。
「あのぅ…私は一体…」
それについて答えたのは原園だった
「オヌシは一週間前にこの近くで起たガス爆発の被害者じゃ
生存者はオヌシと牧を含めて4人じゃ、あとの二人は軽傷で済んでいるが生存者のなかでオヌシは事故の一番近くいたからの、かなりの重傷を負ってしまったんじゃ」
「あのっ…もしかしてその後の二人の生存者って私のお母さんとお父さんですか?」
その言葉を聞いた瞬間、原園は言葉をつまらせその詳細を伝えた
「いや後の二人は両方とも子供だ、
君の両親は残念だが…」
その言葉を聞いて私は泣くんだと少女は思った、
だけど泣けなかった、
悲しいはずなのに
ツライはずなのに
苦しいはずなのに
何故か涙が出なかった、
まるで
‘そんな事はとっくに知っていたように’
最初のコメントを投稿しよう!