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「うっ…!おぇぇぇぇ」
突如現れた吐き気に先程のようにこらえる事が出来ずついに吐いてしまった、
それにどうしようも無いくらい眼が…熱い
「あれ…なんで?…急に…」
「マズイッ!!牧!!」
「くっ!!」
急いで牧は少女に駆け寄り手を眼に当て眼を閉じさせて抱きしめた。
「牧…さん?ダメだよ…汚いよ…汚れ…ちゃうよ」
「大丈夫だ、ただ君のその症状を押さえるために少し時間がかかる、我慢できるか?」
「うん…大丈夫だよ牧さん、私我慢できる」
少し辛そうにしながらも平気だと言う少女に対して「そうか」と優しい声で答え行動に出た
「原園さん‘アレ’を少し使います、飲み込まれないように離れていて下さい」
「…わかった」
そう答えて原園は部屋の隅へ移動した、
それを見届けた牧は眼をつむり一言呟いた。
「…世界は私を拒絶する…」
すると途端牧の空いている手の平に歪みが生まれ円形の物が二つその歪みから出てきた、
その後直ぐに歪みは消えて手の平には二つのコンタクトレンズがあった。
グボッ
それと同時に牧の口から大量の血が吹き出た。
「牧さん?どうしたの?なんだか温かいのがかかってきたけど」
「ああ…済まない…お茶を少しこぼしてしまった…今拭くからな…」
弱々しい牧の声に少し動揺を見せながらも「うん」と答えた。
「牧…どのくらい‘ズレた’?」
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