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境界の花
「見て、此処に綺麗な花が咲いてる。私達が植えた綺麗な花」
少女は少年の頭を膝に置き語り掛ける。少女はもう二度と返事をしないであろうその少年の唇を指でなぞる。
「一緒に、一緒にいられるわね。誰も居ない私達だけの世界で…」
少女は後から気付く、少年はいつか消えてしまうことを。
少女が求めたのは一つの理想。少年が求めざるおえなかったのは複数の現実。
決して交わらない二つの物語が一つに為るとき、より強い思いが物語を綴る。
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