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ネ「ハーベルトの優しさだよ。気づいているだろ??」
レ「………わってるよ、ちゃんと……」
ネ「(笑)」
レーノアが寂しそうな顔でネルの肩に寄り掛かった。
そんな彼の行動に、ネルは苦笑して頭をポンポンと撫でる。
擽ったそうに顔を崩したレーノアに、ネルも嬉しそうな顔をした。
ド「何してるお前ら」
いきなり後からドワースの声が聞こえた。
振り返って見れば、ドワースが腕を組んで立っていた。
ネ「おゃ……ドワースじゃないですか。どうしたんですか??君の寮は反対では??」
ド「ネル・ヘルベルト……君はどうしてそんな奴と一緒にいる??」
そんな奴と言って目線はレーノアに向かった。
心底憎らしい目で見られたレーノアは、その瞳をただじっと見つめかえす。
だが、直ぐに興味が失せたかのように視線を体ごと反らした。
それを合図かのようにネルが話を繋ぐ。
ネ「さぁ??」
ド「君は頭が良い!!それもこの学年で一番だ!!それがどれだけ凄い事だか解っているのか??」
ネ「(笑)」
ニコリと微笑む顔は、その表情とは裏腹にとても寒々しい雰囲気が漂っていた。
ネ「僕は凄いだなんて思ったことありませんよ??……僕の近くにはもっと凄い人が居ますからね」
ドワースとネルは暫くの間向かい合ったまま動かなかったが、先に動いたのはドワースだった。
ド「………おぃレーノア・ルージュ」
レ「……何??」
ド「早くこの学園から去るんだな!!迷惑だ」
それだけを言い残して、彼は自分の寮へと戻って行った。
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