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嫌な音に顔を背けた一瞬、本の一瞬だが、俺は光る箇所を見た。
まさか、と自身の目を疑いながら同じ所にもう一度目を遣る。
思わず潤みそうになる視界の隅に、同じく見えたらしいカズマが、歯を食い縛りながら、光の見えた方向へ移動をしているのが見える。
やっぱり光ってるねあれ、違いない。
俺の胸は、揺れて嬉しい肉は無いが、本当に嬉しくて胸が弾んでしまい、俺は瞬間的に泣きたくなった。
流石に今この場で泣くと目玉に指が突っ込まれそうなので、伸びてきたゾンビの腕を下から打ち上げて叩き折るくらいで発散させておく。
いやっほー、見えた!
光輝くあそこを越えれば終わりだ、この群像共からは恐らく永久に。
つか、そうだよな。
調子に乗ってぶん回したパイプが、髪の長いゾンビの胸に当たる。
恐らく元々は女だっただろうそいつは、ずり落ちそうなキャミソールの下でこれまたずり落ちそうな胸を垂らしている。
胸に当たった鉄パイプは、まるでピーラーの様にパイプの穴の中に腐った肉を収納してしまった。
結果、肉を削いでしまった胸は肋骨が見えるまでに痩せ細り、骨の隙間からは黒ずんだ心臓と肺が、おちゃめに顔を見せている。
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