短編その3

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やっと日曜日! 大学生活で唯一の楽しみである先輩とのお絵かき会。 すごく楽しみで、最近だんだん先輩の家に着くのが早朝になり始めちゃった。 「先輩ーっ!いい加減中に入れてください!」 「ちょっと待ってろ」 いくら春だからって、こんな時間だと寒いよ… やっと先輩が玄関に顔を出してくれた。 寝惚けなまこに、寝癖。とっても可愛い!ボクが食べちゃうぞ! しかし相変わらず先輩の絵は上達しないな。 それでいいんだけどね! ボクは昔から中学校から人と話すのが苦手で、そのせいかずっと大学に入るまでずっと通信教育を受けてたの。 その間ずっと漫画を描いてた。 先輩に出会ってから私は変わった。 入学したてだったから緊張しっぱなしで同人サークルに入りました。 数日たったある日、部室でひとり絵を描いていた人がいました。それが先輩です。 どんな絵を描いてるのか気になって覗いてみると…不覚にも大爆笑! ボクが笑っているのに気づいた先輩は一言くれたんだ。 「笑うなんて酷いな。けど笑ってる方が可愛いな」 だって! ボクはもう一目惚れ、それ以来先輩と一緒に行動するにつれて、友達や笑うことが多くなって大学が楽しくなったんだ。それもこれも先輩のおかげ。 …だから、絶対先輩を変わらせない。先輩も、先輩の絵もボクだけのもの。 そして、先輩とボクはこれからずっと『変わらない』 「とっても良い『紅』の色だね…ねぇ、先輩…」
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