短編その4

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『いらっしゃいませ』 聞き慣れた声が聞こえた気がしたが、イヤホンで音楽を聴いているしレジには誰もいなかった。 なんだか寂しい気持ちになりながらも薬を探し始めた。 「これ・・・いや、こっちかな?」 手にとって見るも、なかなか見つからず4つ目の薬を手に取った瞬間 「今、万引きしましたよね?奥までついてきて下さい」 問答無用で手をとられ引きずられるように連れて行かれた。 俺の手をとったのは、あのレジの女の子だった。 部屋に着いた途端、彼女は自分の服を乱し始めた。そして唐突に、 「盗った商品はこの3つです。覚えていますよね?」 俺が今さっき手に取った薬だ。決して俺は万引きなんてし――― 「これは復讐です。あなたの指紋は着いているし、カメラも点検ということで今からこの部屋を撮影し始めてますし、強姦に仕立て上げれます。・・・あの時受け入れてくれなかったからです」 電子音が部屋に鳴り響いた。―――完璧にはめられた。 「どうしてここまでするんだよ・・・」 「私の今から言うことを素直に実行してくれたら理由をおしえます。カメラの記録も消去します。とても簡単なことで済みますがどうしますか?」 「・・・なにをすれば?」 「私の家まで来てください。それだけです」 「・・・え?それだけ?」 「はい、それだけです。それではさっそく行きましょうか」 何がなんだかわからないまま俺は彼女の後を追った。
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