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俺の幼なじみであり親友である貴史が尋ねる。
すると吉田は弱々しいがはっきりした口調で言った。
「・・・・いつの間にか僕の机から教科書なくなっててさ・・・・ほら、僕の家って貧乏だろ?だからなかなか親に言い出せなくてさ。」
一同は沈黙した。
そしてその沈黙もまた貴史が破った。
「・・・じゃあどうして俺達に相談しねぇんだよ。」
「これは僕が悪いしさ・・・ヘヘッ。」
「馬鹿、あれを見てる方がよっぽど俺はウンザリすんだよ。テメェ頭がいかれてんじゃねーのか?」
後ろを見るとこのクラスでの明らかに悪の存在であり、この街の暴走族をまとめあげているという噂のある黒野がいた。
黒野が相手では誰も言い返せない。
「ゴッ、ゴメンなみんな。やっぱ迷惑だよな。」
「・・・馬鹿、心配すんなよ。教科書なら俺が金を貸しといてやるよ。」
貴史が言った。
貴史は小さい頃から弱い奴の味方ばかりしていた。
今も相変わらずだな。
「えっ、でも・・・。」
「気にすんなっての!そうだ!じゃあ今日一緒に買いに行こうぜ!」
「・・・・うんっ!!」
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