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シャワーを浴び終え、制服に着替えて家を出た。
外に出てみると、目に日差しが差し込む。
思わず、右手で目を隠すが目が慣れるとこの日差しが気持ちいい。
「おっと、いけない。」
補習の事を思い出し、少し小走りで学校を目指す。
こんな天気の良い日は、公園のベンチで昼寝を楽しみたいものだが非常に残念だと苦笑する。
しばらくすると、彼の通っている学校『睦月学園』が見えてきた。
この睦月学園は、元は女子校だったものを共学にすると同時に改装したもののため出来たばかりで、そこそこ設備がいい。
何より、家から徒歩15分と近いというのが嬉しかった。
学校に着いた俺は、上履きに履き替え、教室に入る。
『待って、いたぜ!』
俺が教室に入ると同時に、そう叫んで目の前まで走ってくる。
『相棒。俺達は、死ぬ時も一緒だ』
思わず、溜息が漏れる。
目の前に現れた黒髪のツンツン頭でウザイ男『宇野宮 辰巳(うのみや たつみ)』といって、日向とよく一緒に補習を受ける悪友。
「安心しろ。死ぬ時は、お前は一人」
「たまには絡んでくれよ!
俺、寂しくて死んじゃう。
孤独死だよ。孤独死!!」
「大丈夫。お前には、ギャルゲーがあるじゃないか?」
辰巳をほどよくからかいながら席に座り、拓磨は辰巳と共に午後の補習を受けた。
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