見えないせなか

理解の追いつかない日々

俺はいつも通り彼女と家に帰ってる途中だった。

何でもない話をして笑い合い、改めて横にいる女性が愛おしいと感じた刹那。

目の前が真っ暗になったかと思うと見知らぬ空間に俺はいた。

「やぁ、目が覚めたみたいだね。まずは気持ちを落ち着かせてくれ」

横には白髪に眼鏡をかけ、白衣を着たいかにも学者っぽい初老の男性。

混乱する頭を落ち着かせようと周りを見ると、何かの施設のようなところだった。

そこら辺には変な機械、俺が横たわっていたのは手術台のようなもので部屋の中央にあった。

この部屋にはその人の他にもう一人若そうな(と言っても初老の男性と比べてなので30代くらいだろう)男が立っていた。

その男は何かのモニタを見ながら初老の男性に耳打ちする。

何かを聞きうなずくと初老の男性は俺に向き直った。