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何気なく思ったことを口にすると、広明は軽く頷いた。
「変なとこで団結力あるし、俺は嫌いじゃないぜ」
「うん……?」
ふと、視界の階段を下りていく女生徒に目が行った。
何だろう……?
一瞬だけど、少しだけ違和感のようなものを感じた。
「達也、突っ立って何してんだ?」
「あ、ごめ……」
僕は見た。
広明の頭に座る拳大のそれを……。
「……ごめん。本当にごめん」
「いや、そこまで謝らなくても……」
「違う……違うんだよ……」
ヤバい……今の僕の精神は、幻覚を見るぐらいまで追い込まれているようだ。
安定してると思ってたけど、実はそうじゃなかったらしい。
「僕……保健室に行くよ」
「体調でも悪いのか?」
「精神面で……ね」
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