出逢い:石原達也と妖精

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「というより、これ本当に何なの?」 「石原が落ち込んでるんじゃないかと思って、ちょっと仕込んでみたのよ」 そう言ったのは女子クラス委員長、井川純夏(すみか)さんだった。 「どう?少しは元気が出た?」 「いや、元気出たというか……」 ちょっとヘコんだというか、でも気が楽になったというか……。 「というより、そんなに落ち込んでるつもりはないよ」 「そうなの?石原のことだから、富士の樹海突入プランなど組んでいるのかと思ったのに」 「ないから」 断固否定しよう。 そんなプラン考えたこともない。 「そういうことだから、みんな早く席に戻った戻った」 「つまんな~い」とか、「期待はずれだ~」等々、各所から声が上がる。
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