きっかけ

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「V系なんか化粧しなきゃ何も出来ねぇ糞じゃねぇかよ!」 「お前は化粧したって糞じゃねぇかよ!」 「んだとゴルァ!!」 そんな言い合いは日常茶飯事だった。 靴がゴミ箱行きになったり、落書きされたりするのは当たり前過ぎて堂々としてた。 あと殴られたり蹴られたりしたけど、私は正当防衛だって叫びながら椅子でメッタ打ちにしてやった。 勿論親が呼ばれた。 母は私の話を聞いて、物凄く怒ったけど、私を思い切り殴ったけど、流石に私を育てた母は、肝が据わってた。 「先生、男三人、女三人が相手で、架由はたった一人だったんですよ?これは正当防衛です。架由は悪くない」 「ですが、椅子で殴るというのはやり過ぎです」 「じゃあどうしたら良かったんですか?何で先生は架由を助けてくれなかったんですか?すぐに駆け付けられなかったからでしょ?だから架由は自分を自分で守ったんですよ?それの何が悪いんですか?どこが悪いんですか?というか相手の六人は打撲とヒビで済んだんでしょ?架由は全身打撲と骨折なんですよ?被害者じゃないですか。もし架由が悪いなんて言ったらぶっ殺しますよ?」 「…………」 先生は呆気にとられて、大した問題にならなかった。 治療費貰えたしラッキーだったよ。  
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