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「参加者の方々には、こちらのメガネを掛けて頂きます。」
メガネが乗っている方の手とは、逆の手で、メガネを指差した。
けど、俺は目の前で起きた不可解な現象に、現実逃避しかけていた。
「どうやってメガネを出したんだ!?」
「あ、はい。 そっちの説明も今から致しますので。」
その言葉で、俺は引き下がった。
実際は、彼女の、それも説明するから質問するなよ。 鬱陶しい。 みたいな視線で引き下がっただけ。
成る程。 彼女の性格が大体分かった。 結構、ドライだな。
でも、美人なので良しとする。
「まず、この世界についてですが、そろそろ気付いていると思いますが、今居るこの世界は、あなたの居た世界とは違います。」
おぉ、どんどん厨ニ病みたいになってくる。
「この世界は、一般的に言う異次元です」
「異義あり!」
「……何ですか?」
またか。 みたいな目線を投げ掛けてくるけど、めげずに反論する。
「この世界は、俺の夢です!」
「いえ、確かに初めはあなたの夢でした」
「初めは?」
当然の疑問を口にする。
「はい。 ですが、途中からは、今居る世界……私達は、“粒子世界”と、呼んでいますが、此処に転送させて頂きました」
転送? あ! あの、いきなり周りが変わった時か。
「どうやら、心当たりがあるようですね。 恐らく、その時にこの粒子世界に転送させて頂いたのでしょう」
「オッケー、理解した」
実は、まだそんなに理解していない。
「では、説明を再開させて頂きます。 このには、特別な粒子が密集しています」
俺は、そんなにガン〇ム詳しく無いんだけどな~。
「この粒子は、あらゆる物質に変化させる事ができ、参加者達には、この粒子を使って戦って頂きます。」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
「……何してるんですか?」
「いや、何か剣とか出せるかな~? と。」
はぁ~。 と、溜め息をつかれる。
逃げた幸せを、俺が捕まえて、俺のものにしたかったが、断念した。
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