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「この粒子は、一般の方々には扱う事は出来ません」
だったら俺は、その一般の方々なのか?
だとしたら、彼女の説明に矛盾が生じる。
彼女の説明は、俺が参加者ということで、成立している。
……彼女の勘違いか?
考えても、知恵熱が出るのがオチなので、訊いてみた。
「じゃあ、俺は参加者じゃ無いんですか?」
「いえ、あなたは間違いなく参加者です。 が、今の状態では一般の方々と、変わりはありません」
「じゃあ、あれですか? どこぞの格闘マンガの如く、修行でもするんですか?」
そんな無駄に熱血な事なんて御免だ。
「この粒子は、個人差はありますが一定量以上が体に蓄積した場合、脳の構造が一部変わる性質を持っています」
「めっちゃ死ぬじゃないすか」
「いえ、別に死ぬ程の変化は起きません。 ただ、元の能力に一つ追加されるだけです」
元の能力……? あれか、記憶するとか、電気信号を送るとかそんな奴か。
「追加される能力……それこそが、粒子を操る能力なのです」
成る程。 それで俺は、特に何も出来なかった訳か。
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