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“美人”
俺が、振り向いた先にいた彼女に抱いた第一印象だ。
続いての第二印象は、“白”
彼女は、何もかもが白だった。
その、真っ白のワンピースもさることながら、肌も白かった。
それだけでは留まらず、髪の色、瞳の色、マニキュア、口紅、靴、何から何まで白だった。
カラーのテレビで映しても、白黒のテレビで映しても、そんなに変わりないんじゃないか。
そう思わせるほどまでに、白かった。
まるで、周りの白にただ一人、存在を許されたよう、そんな感じだった。
けれど、それはまるで周りに媚びているような、外見だけでも同じなのだからどうか仲間はずれにしないで、と、言っているような、そんな印象も同時に受けた。
――――――全く、こんな感性だから変わり者なんて言われるんだ、俺。
俺の口から、幸せが脱兎の如く逃げ出した。
まぁ、ただ単に溜め息をついただけだが
できれば“しかし、まわりこまれた!”と、やりたいのだが、人間の俺には到底無理な話だ。
そんな、実に中学二年生のような思考をしていると、彼女が放置プレイに飽きたのか、話し掛けて来た。
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