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『約束します』
『君を残して、僕は死にません』
どうしてだろう、溢れてくる涙を止められない。
『男のくせに』なんていつもは、からかう君も今日は。
一緒に泣いて、同時に笑って、そしてまた泣き出して。
嬉し涙で、腫れた瞼で、誓った『永遠』…
眠り誘う陽気の春には、君の枕に。
焦がすような陽射しの夏には、君の日傘になるよ。
君と会うまでの僕は情けないくらい小さく、自分の事さえ誇れないような弱い男でした。
それが君と居た事で、君が愛してくれた事で、幸せの意味を知りました。
白いドレスも綺麗なメイクも今日限りだけれど、左手に光る銀の指輪はずっと君だけの物。
明日からはまたアパートでいつもの毎日です。
だけどそこにはリニューアルした愛があるのです。
どこかもの淋しい秋には君のピエロに。
北風吹き荒れる冬には君の暖炉になるよ。
これから先何十年2人で暮らしていけば、そりゃ喧嘩もすりゃ君を泣かせてしまう事だってある。
それでもどうか側に…
愛しき君よ僕の側に。
幸せの場所は君だから。
君だから…
これから先何十年、もし僕が先に逝っても、お願いですどうか悲しまないで、笑ってて下さい。
あなたと出会えて私、幸せでしたと思われるように。惜しみ無く愛を注ぐから。
ごめんなさい。こんな席で、しんみりさせちゃったね。
大丈夫です。
そんな簡単に僕は死にません。
『約束します』
君を残して僕は死ねません。
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