指輪💍

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
『約束します』 『君を残して、僕は死にません』 どうしてだろう、溢れてくる涙を止められない。 『男のくせに』なんていつもは、からかう君も今日は。 一緒に泣いて、同時に笑って、そしてまた泣き出して。 嬉し涙で、腫れた瞼で、誓った『永遠』… 眠り誘う陽気の春には、君の枕に。 焦がすような陽射しの夏には、君の日傘になるよ。 君と会うまでの僕は情けないくらい小さく、自分の事さえ誇れないような弱い男でした。 それが君と居た事で、君が愛してくれた事で、幸せの意味を知りました。 白いドレスも綺麗なメイクも今日限りだけれど、左手に光る銀の指輪はずっと君だけの物。 明日からはまたアパートでいつもの毎日です。 だけどそこにはリニューアルした愛があるのです。 どこかもの淋しい秋には君のピエロに。 北風吹き荒れる冬には君の暖炉になるよ。 これから先何十年2人で暮らしていけば、そりゃ喧嘩もすりゃ君を泣かせてしまう事だってある。 それでもどうか側に… 愛しき君よ僕の側に。 幸せの場所は君だから。 君だから… これから先何十年、もし僕が先に逝っても、お願いですどうか悲しまないで、笑ってて下さい。 あなたと出会えて私、幸せでしたと思われるように。惜しみ無く愛を注ぐから。 ごめんなさい。こんな席で、しんみりさせちゃったね。 大丈夫です。 そんな簡単に僕は死にません。 『約束します』 君を残して僕は死ねません。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!