運命は突然に

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芳行は目に涙を浮かべながら家を飛び出した。突然の出来事にあっけにとられる翔子。  「兄さん、一体どうしちゃったの」  翔子は半泣きになりながら新太郎に飛びついた。  「泣くな。こういう時は達也に相談しろ。アイツなら何か知ってるだろ」  達也はアタシ達の同級生で異様に大人びていて、なんだかむかつく。でもその分、こういう時に頼りになるんだけど。  「わかった」  半べそのまま翔子は携帯電話を手に取った。  「もしもし、達也」  (あぁ、翔子か。どうした?)  「実は兄さんがおかしくなったんだ」  翔子は芳行のことを達也に話した。  (あぁ、それは厨二病だな)  「厨二病?」  (そうだ。過度のアニメや漫画の摂取で発生する病気だ。お前の兄貴の年頃ならなってもおかしくないな)
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