58人が本棚に入れています
本棚に追加
明葉を尾行すると、街はずれにある古びた寺院に辿り着いた。寺院の石畳はところどころ隆起し、寺院も半壊し、ところどころに苔が生えている。明葉は寺院にある広場のような場所の中心で立ち止り、目を瞑った。
「妖狐の篝火に集まりし、今生の陰達よ、八極の怠門を潜りし刻、そなた達の魂は永遠に救われん。加俸院式封術『鬼火の導き』」
明葉は懐から一枚のお札を取り出し、地面に叩きつけた。すると、お札は一瞬光って、青白い炎をあげて燃えた。
「これでしばらくは安心ね」
明葉が呟くと、芳行が茂みから飛び出してきた。
最初のコメントを投稿しよう!