運命は突然に

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新太郎は口を大きく開けたまま、浅賀を見た。 「もっ、申し訳ありませんでした。軍曹」 新太郎は土下座した。 芳行は困っていた。 今のオレじゃ、とてもじゃないが一撃必殺の秘伝呪術をだすこともできない。しかも、今使った呪術のせいで左目がうずきやがる。これ以上下手に呪術を使えば、エフィスの暴走を引き起こす。 「あなたにこれ以上やらせるわけにはいかない」 機械のような口調で明葉が呟くと、明葉は右手振り上げた。 この間合い。あの構え。あれは、見たことがる。観音式奥義、『如月』。自身の手に溜めた聖力を相手に向けて飛ばす技だ。
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