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前田、オレはお前から沢山のことを学んだよ。人の温かさ、愛しさ、儚さ。できるなら、お前とこの世界を一緒に救いたかった。お前とならこの邪王を巡る戦いも耐えることができると思った――。
前田は突然笑顔を浮かべ、詠唱を始めた。
「鏡蝶花の轟を我が主の糧とし――」
「止めろ、前田その詠唱は――」
明は刀を放り出して、前田に抱きついた。
「許してくれ、明。お前と会えて本当に良かった」
前田は最後に明の頭を優しくなでた。
「我に科せられた咎を受け入れん。聖道秘伝封術『魔境門』」
前田が詠唱を終えると、前田の身体を中心に金色の光が広がる。明はその光に包まれ意識を失った。
「ここは――」
明は一面金色の世界で目覚めた。
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