日常の崩壊

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 温かい。これが前田の持つヨハンの力。全身に前田の優しさが広がってくる。邪と聖は決して相まみえることはない。わかっていた。でも、悲しすぎるよな。  ひときわ大きな光が明の横を通り過ぎていく。  「あぁ、わかってるよ前田。オレは必ず邪王の戦いに勝ってみせる。お前がオレに託してくれた力も、想いも全部背負って」  明がそう言うと、視界が真っ白になったかと思うと、景色が再び荒野に戻った。  「この左目に宿りしエフィスの力、我身すらも焼く刃となり、万象の王へ導かん」  明は自分に言い聞かせるように呟くと、前田にぼろぼろになったマントをそっとかけて荒野を後にした。
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