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26の瞳が私に注視しているであろうと思うと、何だか正面を向けなかったが、私は出来る限りの威厳を持った言葉を放った
「さっそく始めるぞ!
松田?昨日の服部建設での件は
うまく進んだのか?」
指名を受けた松田は、ゆったりと口ごもった口調で話し出す
「あ…昨日…で…すね……」
この松田という男は、黒いスーツに黒いシャツ、ネクタイは赤、社内でも黒いサングラスを外した姿を見た事がない…という感じで、およそ営業マンとは思えないのだ
…まったく💧
人事は何を考えて
奴を採用したんだ?
「あー松田、時間がない
後で報告書を出してくれ
それで今朝は特別に………」
私はわざと間を置いた
何となくカッコ良く思えたからだ
「ミーティングを切り上げる
今日の予定をホワイトボードに
各自書き込んでおいてくれ」
………ナカナカ キマッテタカナ?
「あぁ、神崎?」
「はい…何スか?」
「午後から私と北支社へ同行だ」
私は神崎の返事を待たずに続けた
「では、解散」
[どうだ?早く終わったろ?]
そういう目線で、安藤静をちらりと見ると、彼女は怒ったような表情で席を立った
…よく分からんなぁ
今度飯にでも誘ってみるか…
………割り勘で
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