係長!白鳥武  其の1

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  さて私は4階にある資料室へ向うことにした …何故かって? 向うんだったら向うんだ 決して資料室にいる甘井香の姿を見に行くわけではない 2階通路をエレベーターに向う 途中にある給湯室をちらりと覗いてみたが、やはり小林美樹の姿はなかった …当たり前だといえば、  当たり前なのだが… …しかし分からないな  彼女はまた何だって  こんなところに居たんだ?  秘書課は5階のはずだが…… 自慢ではないが、私の脳内コンピュータには、全女子社員のデータがインプットされている 彼女を見間違う事はない ………はずだ エレベーターホールでは、2人の女子社員が何やらひそひそ話している 私は少し離れた位置から、素知らぬ顔で耳をダンボにしてみた ケサ ハヤクダッテ トビオリタノ [何だ?何を言ってるんだ?  飛び魚がどうしたって?] フリンダッタラシイヨ [風鈴?ますます分からん] 到着したエレベーターに 2人は乗り込みながらも会話は続いていた… おいおい待ってくれ 話に夢中なのか、私がいるのに彼女らはエレベーターで行ってしまった 仕方なくエレベーターの前でつっ立っている私の後に、別の営業チームの男子社員数人が並んだ モッタイナイヨナ マダワカクテ ビジンナノニ エレベーターに乗り込みながらも、彼らの会話は続いていた それにしてもむさ苦しい光景だ こんな狭いエレベーターに…!? 閉まろとしているエレベーターの扉の向こうに、小林美樹が立っていた 扉は閉まり、軽い振動と同時にエレベーターは動き出した …後に居たなら言えばいいのに 思う間にエレベーターは4階に着き、私は訳の分からない会話を続けている奴等を置き去りにエレベーターから飛び出した 資料室 甘井香 「あ~だり~な~」 …またメールだ…  こいつひつこい …バイトで出会い系のサクラを始めたんやけど、ホンマダルいわ ガチャ☆ 「あっ、白鳥係長…  おはようございます~」 「おはよう…ん?」 甘井香は、私の姿を見て気まずそうに携帯を閉じた いや、私が驚いたのは、そんな事じゃない 「どうかしましたかぁ?」 そう、そんなのんびりマイペースな甘井香の隣の席に、小林美樹が座っていたからだ  
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