係長!白鳥武  其の1

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  午前6時 いつか決着を付ける日が来るんだろうな…とか思いながら目覚まし時計を手探りで探しスイッチを切る まったく毎朝、何度聞いてもムカつく音だ 洗顔、髭剃り いつもの手順でいつもの時間内に終了…そう私はパターンから外れる事が大嫌いなのだ …うん?  しまった!髭が1本残って… …ま、いっか 濃紺のスーツに身を包み、颯爽と自宅マンションの玄関ドアから外界に身を踊らせる 街中とはいえ6階から見渡す風景は、中々良いものだ ゴミ出しの帰りか? お隣の奥さんが軽く会釈をしながらサッと自宅へ… …それにしても妙な顔してたな? …げっ!  下はパジャマのままじゃん💦💦 着替えなおして玄関からもう一度やり直した私は、今度こそ颯爽とエレベーターに飛び乗った カチャカチャカチャカチャカチャ カチャカチャカチャカチャカチャ さっさと閉まらないエレベーターの扉は、とてもイラつく [閉]のボタンは、毎朝の私の連打によく耐えている 「あぁ、白鳥さん?  あきまへんがな壊れまっせ」 「あっ💦管理人さん  乗ってらしたんですか💦」 「壊れてた6階のボタンが  昨日届きましたんでなぁ  交換してましたな…」 管理人は何か言いたげだった 前から思ってはいたが、その老人らしからぬ鋭い目付きと、時折見せる軽い身のこなし… このマンションの管理人をする前には、おそらく…… 「なぁにひとりでぶつぶつと?  そうやった、白鳥さん今日から  お宅の車…24番のとこに停めて  欲しいんですがなぁ?」 「はぁ?構いませんが?」 そう言っている内に、エレベーターは1階に着き、扉が開いた 「んぢゃ、お願いしますよ」 「分かりました」 駐車場の場所が変わる事は、私のポリシーからするとあまり歓迎すべき事じゃないんだが… …24番? …あぁ、ぽっんと1台だけ  停めれるあそこか…… などと考えながら、 愛車アウディTT…のつもりの白い軽四輪に乗り込みエンジンキーを回した  
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