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(松本さんどこ行っちゃったんだろ)
ぐるりと探してみたけど松本さんの姿は店のどこにもなかった
(もう、帰っちゃったのかな…)
諦めて外に出ると煙草をふかした
松本さんがいた!
「お疲れ様です!」
あたしはやっと松本さんと話せる喜びに
思わず笑みがこぼれる
けれど、松本さんの態度はいつもと違った
「おつかれ」
と一言、あたしの方を見てくれない
あたしは松本さんへと近づいた
「あの…」
「宇田くんの事、嫌ってなかったけ?」
あたしの言葉を遮り松本さんは唐突にあたしに質問をした
「一応、ここのスタッフですから嫌ってても話ぐらいはしますよ」
(可愛くない言い方…)
自分でも分かった。
すごく好きな人なのになんであたしは
こんな言い方してしまったんだろ…
「そっか…。まぁおつかれ」
そう言って、松本さんは車に乗り込み走り去っていった
「松本さん…」
針で心臓を刺したような痛みが胸を襲った
松本さんの事を思えば思うほど胸が痛い
(松本さんきっと誤解したんだろうな…)
あたしは自分にも自己嫌悪しながら
とぼとぼと家へと向かった
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