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「ハウンド」はけたたましいバイクの騒音とともに現れた。ざっと見て50人はいるか、随分集まってくれたもんだ。
どいつもこいつも頭からっぽな格好しやがって…。
「よお、「キラー」の頭ってなどこのどいつだ?」
金髪野郎が単車から降りて聞いてきた。じゃらじゃらシルバーアクセを付けまくってる鼻ピアス野郎。
オレは前に出て挨拶をしてやった。
「オレがアタマ張ってる紅月だ。ま、ヨロシク頼むわ。…パーティーに招待ありがとよ」
金髪野郎が大口開けて笑い出した。
「ギャハハハ、さすがは「キラー」の紅月サンだぜえ!「ハウンド」なんざ目じゃねーってか~!?だがよ、50人対15人じゃさすがにつれーんじゃねーか~?!」
ヒャハハハ~!!
アタマわりー高笑いはムカッ腹に響くぜ。
「御託はいーからさっさと始めよーぜ?こちとらてめぇらと違って暇じゃねーんだよ」
ごきごきと手を組んで鳴らす。久々に暴れまくれると思うとアタマの芯から痺れてくる。背中がゾクゾクする…やっぱりオレも、どっか狂ってんだな…。
「んだと?!てめぇナメてんのか?!」
「くだらねー…。喧嘩すんのに理由なんかいるかよ。オレが気に入らねーんだろ…?だったら来いよ、オレの心臓(タマ)はここだぜ…?」
オレは自分の心臓を指差した。にやりと笑う。
「…なっ?」
やっちまえ!金髪野郎が吠えた。たちまち雑魚がわらわらと飛び掛かって来た。鉄パイプに金属バット、バタフライナイフ、木刀。エモノはそれくらいか。
オレはバットを振り回して来た大男に軽く廻し蹴りをかまし、バットをたたき落とした。ばきィ!!ありゃ、手首の骨折れたかな?
「ギャアアア!!」
手首を握り締めながらのたうちまわる大男の、どてっぱらに留めを射し、気絶させる。
「さあて。次はどいつだ?」
いくらでも相手んなってやらあ。
ばき!!どか!!
「ひいい!!」
あっという間に、オレは「ハウンド」の半分をのした。その間も、オレはかすり傷すら付かない。
やる気あんのか、こらぁ!!
「つまんねーよ、おめーら!!オレを殺りてーんだろ?!もっと本気で来いよ」
アハハハ…!
戦場はいい。この高揚感…!
オレはこの暴力が、心地好い。
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