突然の

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するとドアが開いた。 「!?」 後ろを振りかえると鈴がいた。 「お姉ちゃん…」 「鈴、どうしたの?」 「泣いてると思って…」 「…そっか。ハハハッ。当たり!」 絵梨は笑って心配かけないようにした。 「わたしね、知ってたの」 「え?」 「今日の朝それを言おうとしてたの」 「そうだったんだ…」 「お母さんがたまたまお父さんと電話してる時に聞いちゃって…」 「…そう」 「お姉ちゃん、別れるの?」 「え…」 「彼氏と会えなくなるんだよ?」 「…知ってるよ。会えなくなる事ぐらい」 「…あ、ごめん…なんか…」 「いいよ別に…でもあたしは別れたくない」 「そっか。あたしは別れたよ」 「えっ。先生と?」 「…うん。好きだけど、もう好きじゃないって言って引っ越す事を隠してふったの…ヴッうわあぁん」 鈴は言いながら、最終的に泣き出した。 「あっちょっとやめてよ!泣かないでよ。あたしだって泣きたいわっ!!」 「ふぇっ?」 「もう…、あたしはどうしよっかなぁ…」 「…でも、別れたらすっごく悲しくなったよ」 「えっ?」 「お姉ちゃんは別れないで」 「鈴?」 「別れない方がいいよ」 鈴はそう言って部屋からでていった。
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