突然の

9/14
前へ
/382ページ
次へ
昼休みには旬をよびだして屋上で話す。 「あ、待たせちゃったかな?」 「全然っ。で、俺を呼び出すなんて久しぶりじゃん」 「うん…。あのねあたし引っ越すの」 「え…」 「…理由は家族全員で暮らすためで…」 「そっか。じゃあ仕方ないんじゃん?ちょっと寂しいな」 「…あのさ…」 「ん?」 「亮と別れた方がいいと思う?」 「えっ!?」 「…引っ越したらもう会えなくなるじゃん?」 するとまた熱いものが込み上げてくる。 「え…そんなの関係ないと思うけど…」 「え?なんで?」 「会えなくなるとかじゃなくて、気持ちじゃね?」 旬は自分の胸の真ん中あたりを叩いて言った。
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2047人が本棚に入れています
本棚に追加