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「いいかお前らぁ!」
コンサートでのヤンとクミの練習のせいか、俺のヤンクミの演技はみんなに褒められ、瞬くまに俺は保育園の人気者になった。
女の子からの誘いも絶えない
「有岡君、私と遊んでえ」
「駄目よ!有岡君は私とおままごとするのお」
誘いはすべておままごとだけどね
「有岡、何、保育園に馴染んでるんだよ」
いきなり肩をつかまれ、振り返るとそこには薮君がいた。
なぜか、会社鞄を持って……
「薮、君……?」
わなわなと震えていると
保育園のマドンナ、優花ちゃんが駆けてきた。
「お帰りなさい、あなた」
「ん……」
「お風呂にする?ご飯にする?」
「お風呂だあ」
なにあれ……
「薮君…何、1番馴染んでるんだよ………!!!」
そう叫ぶと、隣に伊野尾ちゃんが来て、首を横に振る。
「さすが薮だな」
何がだよ!!
「薮のやつ、さすがアイドルだ」
「え……?」
「ままごとは一見、遊びに見えるが、あれは演技!薮は保育園児になっても、アイドルとして、演技の勉強をしてるんだ」
演技……
そっか、そうだったんだ
こうやって、園児になってもアイドルとして――――――
「まあお酒臭い!また、あなたったらキャバクラに行ったのね!」
「うるせえ~~撫子を馬鹿にすんなあ!」
そう言って、優花ちゃんを叩く薮君
「ううっ……そんな女のことばかり考えてる貴方なんて……嫌いよ!!!」
「はっ…!俺には撫子が居るからな」
「光という子がありながら……撫子なんて殺してやるわ!!」
「伊野尾ちゃん……」
「園児だな」
「うん」
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