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「ままごと…?」
「そう!!私の旦那さん役してほしいな」
伊野尾ちゃんと、ポーカーをして遊んでいると、保育園のマドンナ優花ちゃんがやってきた。
ままごとだが、何か照れる。
頬を指でかきながら、ふと…思い出した。
「薮君は…?」
「薮君は、撫子ちゃんと不倫したから、別れたっ」
あ、やっぱその設定引きずってんだ。
仕方なくポーカーを止めて、伊野尾ちゃんの方を見ると、伊野尾ちゃんは、三つ編みの似合う、七瀬ちゃんにままごとを誘われていた。
薮君は、撫子ちゃん
光君は、美亜ちゃん
高木は、こころちゃん
何だ、みんな、何気に誘われてんだ
「……ありおか」
名前を呼ばれて揺れ惑う訳なく、振り返ると、拓海君がコッチに近づいてきた。
「ここのままごと気をつけろ」
「……?」
「リアル過ぎて怖いから、まぢで」
リアル過ぎて……怖い??
あぁ、あの…薮君の不倫の関係かぁ
「大丈夫、大丈夫……俺を甘く見んな」
そう、後ろ手に手を振って、拓海君の前を颯爽と歩く
大人な俺だ
リアルままごとなんて――――――……
「あなたぁ…!!」
ほら、優花ちゃんが走ってきたじゃないか
お風呂にする?
ご飯にする?
大人な俺はこう答えるのさ……
優花と、泥団子作りたいな
………ってね。
やれやれ、とんだ大人な保育園児なんだな、俺は……………
「子作りしましょ」
「実家に帰らせてください、お願いします」
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