俺は天パじゃない

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こんにちは伊野尾慧です 大ちゃんが最近ツッコミに疲れてるので今回は俺が担当したいと思います。 今日の保育園もいつも通りに始まりました。 まずみんなで遊んで そして遊んで 次に遊んで また遊んで…… あぁ…どうせ遊ぶしかないってわかってるんだけど(ハッ) 「ねーいのちゃー」 そういや、同級生のお友達は、俺のことを「いのちゃ」と呼びます。 「ん」まで発音してくれればいいものの… 薮や光が「いのちゃー(ん)」なんて曖昧な発音するから間違って覚えちゃったじゃないか! まぁ…いのちゃんが本名でもないんで、良いけど… あぁ…そうだ、この子は武田君。下の名前は忘れた…えっとぉ…まぁいいや 「いのちゃって、天パだよね」 「…」 は? 「パドゥン?」 「え?」 やれやれ、小さい子には、英語は伝わらないな いや、そういう話じゃない 「天パじゃないんだけど…」 「天パじゃん!ほら、ここクルクルしてるし」 「いや、天然じゃないよ、むしろ養殖だよ」 正しく言えば人工なんだけど 「いいや、天然パーマだよ」 何、こいつ。 腕組んで頷きながら言うんだ。 「だから…天然じゃ……」 「やーい天然、天然パーマァ」 ぶち 「あ、薮…今、血管の切れる音がした」 「知らん、俺は今日のおやつがオレンジゼリーじゃないことにイライラしてるんだ、光、ちょっと調理のおばちゃんにクレームつけてこい」 「保育園児がクレームしたって、ただのわがままにしか聞こえないよ」
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