第1幕 黄昏トライアングル。

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                              「いや、分かってほしくもないんだけどね・・・」 誰に言うわけでもなく独り言を呟くと、椅子に座り朝食を採る。 パンの上に目玉焼きは、空に浮く城が出てくる某映画の主人公が作っていたのを真似たものだ。しかし、これがなかなか美味しかったりする。美味しかったりするのだが 「やっぱりちょっと食べにくいかな。」 分けたパンを頬張ると、先程からやっているニュースを観る。だいたいは最近巷を騒がせているある事件が取り上げられている。 それはニュースでも言っていた事だが、死体から血が一滴残らずなくなっているというものだ。今は“吸血鬼事件”なんて呼ばれている。 しかもこの吸血事件、すでに4件も起こっている。 「あ、今日のを合わせれば5件か。」
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