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ふと時計を見ると時間は9:57。うん、我ながら食べるのが遅い。言い訳を言うならば、私はじっくりと味わう派なのだ。
「さて、食器を洗いますか。」
台所へ行き、流し台に置くと鼻歌混じりに食器を洗い始める。時計をチラリと見ると時刻は9:58。時間が進むのは相変わらず早い。
「ふ~ん、ふふ~ん♪」
――9:59。
「よしっ、終わった。さーてと、冷蔵庫にあるプッ○ンプリンでも食べようかな。」
洗い終わった食器を乾燥機に入れると、冷蔵庫を開けて○ッチンプリンを取りだす。そしてお皿の上にのせ、突起物を倒した後、静かに容器を持ちあげる。
「うん、やっぱりプリンはこうやって食べた方が一番だね。」
――9:59:58。
「それじゃ、いただきまー・・・」
――10:00。
「いやぁぁぁぁッ!!」
悲鳴と供に勢いよく扉が開くと、一人の少女が飛込んできた。
「な、なに事!?」
プリンがのっているお皿を持ったまま固まっていると、私の存在に気付いたのか飛込んできた少女が肩を掴んで揺らしてくる。
「あ、あの、驚かせてすみません! 急で悪いと思いますが、私を匿って下さいっ、怖い人達に追われてるんですー!!」
「ちょ、ま、待って!プリンが落ちちゃ・・・」
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