第1幕 黄昏トライアングル。

5/30
前へ
/32ページ
次へ
言いかけた瞬間、皿に乗っていたプッチ○プリンが轟音と供に弾け跳ぶ。 「ようよう、姉ちゃん。どこに逃げても無駄だぜぇ?」 声のする方を見ると、いかにも不良な三人組が銃を構えてニヤニヤしていた。 「ふえぇ・・・」 少女のほうを見るともう泣きそうである。そりゃこんなんに追われて、おまけに銃をぶっ放されれば女の子じゃなくても泣きたくなる。 「おい、そこのガキ。痛い目みたくなけりゃその姉ちゃんを渡しな。」 後ろにいた一人がありきたりな台詞を喋っている。が、私に聞こえていないと見たか、しびれを切らした一人が胸ぐらを掴んでくる。 「おい聞いてんのか、て」                その男は最後まで言葉を喋ることなく、二人の男の間をすり抜けて外へと飛んでいった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加